過去のご相談と解決例 ケース3
<ご相談内容>
高校に入学したばかりの女の子が、急に反抗的な言動を始め、だんだん学校にも行かなくなり、ひきこもる日が増え、不眠や自傷行為をするようになりました。
小学校・中学校を通して、成績も常にトップクラスで、大変素直な優しい子供であったのに、全く別人のようになってしまいました。
心療内科にも通院して、投薬を受けるも、段々と悪化する一ばかりで困り果てています。
幼い頃から手のかからない、進んで勉強もする自慢の娘であったので、安心しており、過去に口うるさく注意しなければならないこともなかったのに・・・。
<原因>
かわいらしいお顔立ちの、大人しそうに見える娘さんでした。
言葉づかいも乱れたところも少なく、知的な話し方もできる女の子。
親御さんから見れば、さぞかしご自慢のお嬢さんであったろうと思われました。
なんでも自主的に行動する・・・結果も残す・・・。
けれど、これら全ての行動の陰で、この娘さんの心は崩壊寸前でした。
ご両親が思っている娘さんは、親の喜ぶ姿を見るためだけに、目いっぱいの無理を重ねて、自分の意志や本音を押し殺して、
自分ではなく、ご両親が喜びそうな何かを常に探して、それに応える努力を続けていたために、自身の成長の中で芽生える自己自立の理想と戦い続けて、それに疲れ果ててしまっていたのです。
ご両親ともに、決して娘さんに押し付けがましい言動もしてはいませんでしたが、
「ほめる」「喜ぶ」「他に対して自慢する」という行為こそが、結果、娘さんを追い詰めていたのです。
<解決方法>
娘さんとご両親、別々に分けて面談を行いました。
精神科の薬は減薬から断薬へと移行。
それと同時に、娘さんご本人と面談を重ねながら、自分の人生は自分のためにあること、
娘さんご自身が持つ理想や夢に向かうことは当然であり、権利であること、
娘さんが幸せだと感じられない虚構の自分を演じる必要はないことを、少しずつ話しました。
ご両親は別に面談をして、考えていただきました。
「ほめる」「喜ぶ」「自慢する」という行為は、思慮深い子どもさんほど、時として、
子どもの首を絞めかねない結果になるということ、
無意識下で、「次はこうなりなさいね」「こうするのが一番なのよ」という暗示的な発言をしていたことに気付いてもらうこと。。。。などを伝えました。
先回りのし過ぎは良くないのです。
娘さんよりも、むしろ、ご両親の方にこそ、原因の根があった例です。
ちなみに、数年渡り歩いた精神科などでは、全ての病院で、娘さんに病名が付いたそうです。
娘さんは、三か月後、通学も可能になり、口数も増え、いつも「おさげ」でいた髪も、
毎月いろいろと変えるオシャレさんになりました。
ご両親との会話も増え、「嫌だ」「それは違うんじゃないかな」と言う言葉も増えたそうです。
優しい、しっかりしていることは変わりませんが、自分の気持ちをしっかり話す娘さんになったそうです。
現在は、外語大学の学生さんとして、元気に通学していらっしゃいます。
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